肺がんの治療

肺がんの放射線療法

「放射線療法」とは、X線や他の高エネルギーの放射線を使って、活発に細胞分裂するがん細胞のDNAにダメージを与え、死滅させる治療法です。外科手術のように患部を切除する必要がないため、臓器の機能や形態をもとのまま温存できるという利点があります。


一般に、肺がん治療では、まず患部を切除する切除手術を検討します。しかし、肺がんの切除手術を行ったが、切除しきれなかったがん腫瘍が残っている場合や、リンパ節に転移がみられる場合、切除できない場所にがんの腫瘍が確認できた場合などは、放射線療法を検討します。


非小細胞がんの場合は、病期のI期からIIIA期、胸水を認めないIIIB期の段階が、また小細胞がんの場合は限局型が放射線療法の対象となります。 放射線療法は、がん細胞に何度も放射線を照射することでがん細胞の腫瘍を小さくします。回数は患者の状態にもよりますが、一般的には1日1回、週5日照射を行い、3~6週間の治療期間が必要となります。


小細胞肺がんに対しては、最近では、1日2回、週10回照射する「加速多分割照射」という治療も行われています。また、まだ実施できる施設は限られてはいるものの、患部の大きさを立体で計り、がん腫瘍のみにピンポイントで照射することで副作用の少ない治療を目指す「定位放射線治療」や「粒子線治療」といった療法も始まっています。


さらに、小細胞がんは脳へ転移する場合が多いため、脳へ転移するのを防ぐ目的で脳放射線治療が行われることがあり、これを「予防的全脳照射」といいます。